そろそろ夏休みも数えるほどになりましたが、おとなの皆さん、自分だけの読書タイムを楽しむことはできましたでしょうか。本日はわたしから1冊、推し本を。
先日、探検家の関野吉晴さんによる登山家、山野井さんのインタビューを拝見して、この本にたどり着きました。著者は「深夜特急」「一瞬の夏」など、だれもが一度は読んだことのある(であろう)ノンフィクション作家の沢木耕太郎とくれば期待大。
登山には、チーム力と物資力で頂上を目指す「極地法」と数人または単独でいっきに頂上を目指す「アルバイン・スタイル」の2種類があるうち、山野井さんは後者のほう。ヒマラヤ山脈のなかでも8000メートルにわずか数十メートル届かないだけの難峰ギャチュンカンに、山野井さんと同じ登山家で奥さんでもある妙子さんが挑みます。
限界ギリギリの登頂から下山までの壮絶な山との戦いは、まるでベースキャンプから双眼鏡でふたりの 一挙手一投足 を覗いているかのよう…蒸し暑さを忘れるほどのスリリングな1冊です。
ふみふみ 2021年10月24日
もうすでに冬のような寒さですね…
おすすめの「凍」がなく、「深夜特急」の1,2を読みました。
もともととても有名な作品だったのですね。
ノンフィクションはこれまであまり手が伸びなかったのですが、こんなにもおもしろいのか!と驚きました。引き込まれました。
行き当たりばったりの旅先で繁華街を見つける方法、人々との出会いや(時に複雑な気持ちになるような)別れ、心境の変化、街の熱気に圧倒される様子などがありありと伝わってきます。
ものすごい大事件に見舞われるというわけでもないのに続きが気になり、不思議な力がある作家さんだなと思いました。そして海外にすごく行きたくなってうずうずしました。
フクロウ書店主 2021年10月27日 — 投稿者
ふみふみ店員、そうなんですよ、『深夜特急』のおかげで(せいで?)海外に行きたくなる若者のためのバイブルみたいな本です。沢木さんは冷静な観察眼とそれを言葉にする能力がずば抜けている作家さんだと思います。
この夏はどちらかというとドキュメンタリーものを推してくださった店員さんが多かったので、久々にそっち方面中心に読んでいた気が…
いま、フクロウ書店では『ロミオとジュリエット』にとりかかっております。誰でも知っていて、意外とちゃんとは知らない話、ふみふみ店員もお時間あるとき読んでみてください。
「おお、ロミオ、ロミオ、なぜあなたはロミオなの…」(うそかも)