きょうは初のバイトをお願いしましたD.H.ロレンス研究をされているよしこ先生からのPOPです。よろしくお願いいたします。
ロレンスの本はまたの機会にご紹介させていただくことにして、夏休みですから1冊と言わず3冊を…。
自然淘汰の問題について考える場合、人間という個体と、その遺伝子の立場から見る見方がありますが、個体にしてみれば、進化において重要なのは生殖細胞を通じて遺伝子を増やし子孫を増やしていくこと。これを遺伝子の方から見ると、個体は死んでもそれを生み出した遺伝子は一度も絶えることなくこれまで受け継がれてきた、つまり、自己利益の基本単位は種でも集団でも個体でもなく遺伝子であり「生物の個体は遺伝子の乗り物に過ぎない」ということ。
物事は見る視点を変えると全く別物になる、あるいは別物に見える ― 生物学者ドーキンスの本書は、そのことを強烈に示唆してくれます。
自由の問題は多かれ少なかれ人間が生きている限り、一度は真正面から取り組まなくてはならない重要な問題。人間にとって「自由」とは、現代人ははたして「自由」なのか、人間は「自由」であることに耐えられるのか等々、自由を巡る様々な問題についてじっくり考えてみたい人にお勧めの書。
この訳本が100以上の版を重ねていることからも、フロムの問題提起がいかに普遍的なものであるかがわかります。今の自分は自由を謳歌していると思う人にとっては、その思いを覆してくれる本、また自分は束縛状態で自由を求めている人にとっては、本書は希望を与えてくれる本になるでしょう。
「話せばわかる」なんて大ウソ!話が通じないのは、わたしたちの周囲に様々な「バカの壁」が立ちはだかっているからであり、その存在を知ることで世界の見方が分かってくるというのが著者、養老先生の言い分。
ベストセラーだからといって必ずしも素晴らしい本であるとは限らないことが多いのですが、本書は至る所に「目から鱗」的な発想が満載です。例えば、個人主義の今日にあって「個性を伸ばせ」なんて欺瞞に過ぎないということを脳の分析などを通じて論じたり、大事なものとそうでないものとの扱いの「あべこべ現象」を指摘し、「無意識、身体、共同体」をないがしろにしてきたところに現代社会の問題を見たり ―― 異論を差し挟みたくなる箇所も多々ありますが、はたしてあなたはどこまで論者の主張に論駁できるでしょうか。