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外は雨、そんなときこそ読書タイムを大切に。本日かけつけてくれましたバイトの方のPOPは・・・
この夏読んでみた本をご紹介いたしましょう。
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サイパンというと、ある旅行経験者は「蒸し暑かった」と言い、テレビのドキュメンタリーなどでは「万歳クリフ」に代表される悲惨な出来事が中心だったと思います。でもこの本は、図書館でちょっと見て、あ、違うんだ、と思いました。
この本は、戦前の移民政策でサイパンに渡り、米軍の攻撃に何とか生き延びた人たちからの聞き書きです。その人たちが、どういう経緯で移住し、島のどこに住んで、何で生計を立てていたか、等々を、野村さんは聞いて行きます。
そしてかれらの日常が米軍の上陸で破れ、命がけの逃走が始まります。読んでいきますと、なぜバンザイクリフと呼ばれる断崖であのようなことが起きたか、その地理的、心理的背景も見えてきます。
海外旅行がまた容易になったら、もう一度この本を借り出して何枚かの地図をコピーし、サイパンに行かねば ―― そんな気持ちにさせてくれる1冊です。
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/ba/Hawksbill_Turtle.jpg/375px-Hawksbill_Turtle.jpg)
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フクロウ書店主 2021年9月7日 — 投稿者
たくろう店員、心に刺さるノンフィクション本のご紹介ありがとうございました。
1915年、ひとりの日本人が漂流のあげくサイパン島にたどり着いたところから、物語は始まります。
サイパン島は長期間にわたるスペイン統治からドイツ統治を経て、第一次大戦で日本領となった島。主人公の漂流者、山口百次郎はいわば民間一番乗り。彼のあとに続く移民たちによる開墾、町おこし、海を越えた貿易、と発展を遂げるサイパン島を襲ったのは天災ではなく人災、太平洋戦争です。
終戦になるまでの時間はわずか30年。表題の1万日はひとつの社会が生まれて閉じるまでの島の物語です。取材内容と描写が秀悦。大河ドラマを観ているかのようにぐいぐいとひき込まれます。
心に残った言葉
いかに、人間は生きるために生まれてきていることか。やっぱり、生きるために生まれてきたのが人間なんだな。(by正太郎)
じゅん 2021年11月8日
日本人がサイパンに入植して開拓し繁栄させ、戦争に巻き込まれ終戦まで激動の30年。
サイパンが日本領だったのは知っていたが、どのように海を渡り生活していたかは考えたこともなかった。著者の丁寧な取材が素晴らしく日々の生活や戦火から逃れる様が目に浮かびました。戦争はしてはいけない事はもちろん、人種差別もしてはしてはいけません。我々日本人は単一民族ですので差別しやすいので気を付けないといけませんね。
読みごたえあるが一気に読めます。ぜひ若者に読んで欲しい一冊です。