ぞくぞくとPOP作業がつづく本日のおすすめ、第二弾はこの方から。
わたしのお勧めはこの1冊。
アポロ計画に参加し宇宙から帰還した宇宙飛行士へのインタビュー本です。NASAはもちろん、帰還後に徹底的にインタビューされた本の多くは科学的な物が多いでしょう。立花隆は宇宙に行った後の彼らが、精神的、心理的にどのような変化があったかなどを細かくルポしています。
多くの飛行士が宇宙では神の存在を身近に感じるなどスピリチュアルなインパクトを受けます。ジム・アーウィンは退役後に牧師となりノアの箱船の探索し、バズ・オルドリンは宇宙から帰った後に精神に異常をきたし入院することになる、など。
宇宙科学や宗教や哲学に興味ない人でもとても楽しく読める本です。30年以上前に書かれた本ですが古さは感じません。野口聡一さんはこの本を読んで宇宙飛行士になろうと思ったそうです。
ふみふみ 2021年9月11日 — 投稿者
宇宙飛行士ってどんな方なんだろう、と気になり、図書館にて紹介していただいた本を探したところ見つけられず…。
かわりに(?)野口聡一さんの「スイート・スイート・ホーム」を読みましたのでその感想を!
宇宙飛行士というと華やかで夢のある職業という印象が強かったのですが、気の遠くなるような地道な努力の積み重ねの結果なんだなと知りました。
宇宙に向かうためどんなことを行うのか、宇宙から地球を見てどう思ったのか。語り口から野口さんの飾らない人柄も伝わってきて、なんだか宇宙を身近に感じたひとときでした。
野口さんは能楽がお好きで、宇宙と能とのつながりを感じたというエピソードが印象的でした。
こんちゃん 2021年9月13日 — 投稿者
立花隆「宇宙からの帰還」の一部分は高校国語教科書の初版へ冒頭教材として掲載しました!(「上下縦横高低のない世界」というタイトルでした)
フクロウ書店主 2021年9月30日 — 投稿者
じゅん店員、エキサイティングな本をご紹介いただきありがとうございました。
宇宙がどんな場所なのかテンポよくまとめた解説から始まり(これが「上下縦横高低のない世界」の箇所ですね)、次の章からは宇宙飛行士が宇宙空間で得た意識の変容体験について、立花隆がかれらに怒涛のインタビューを繰り広げます。
宇宙という外側から地球を見た宇宙飛行士たちは、その大部分が科学や理性で説明のつかないものを見たり、感じたりしています。米ソ冷戦時代の宇宙飛行士たちはお国のため、という意識が強く、個々が感じたことをここまで突き詰めて聞かれたことがなかったようですが、それを全員から引き出した立花隆のインタビュー力に圧倒されること間違いなし、です。
心に残った言葉
――(宇宙体験について)どういう意味において、それは深い体験だったというのか。
「それを語るのは非常に難しい。それは本質的に語って人に伝えることができないような体験。……しかし一方で、この体験は、ぜひとも全人類にわかちあってもらいたいと願うような体験でもある。……つまり、その体験をしながら、私は、それが個人的な体験だとは思わなかった。おこがましい言い方になるかもしれないが、人類を代表してというか、人間という種を代表して、自分がそこにいると思った。」(byラッセル・シュワイカート)