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教えて!山極隊長!<1>ゴリラはどこで誕生したの?

みなさん、こんにちは!なつです。

だんだんと寒(さむ)さがきびしくなってきました。隊員(たいいん)のみなさん、お元気(げんき)ですか。

黒鳥(くろとり)隊長(たいちょう)のオランウータンQ&Aにつづき、今回(こんかい)からは山極(やまぎわ)隊長(たいちょう)がゴリラQ&Aに登場(とうじょう)です。よろしくお願(ねが)いします、隊長(たいちょう)!

おう!

調査隊(ちょうさたい)のみんなには、オランウータンのフトシを観察(かんさつ)したら、今度(こんど)はオスゴリラのモンタとメスゴリラのローラを観察(かんさつ)してもらいました。いろいろな感想(かんそう)や質問(しつもん)がありましたが、まずはこの質問(しつもん)を。

調査隊ナンバー118 たかひろさん(37さい)

「隊長(たいちょう)、こんにちは。ゴリラはどこで誕生(たんじょう)したのですか」

たかひろさん、いい質問(しつもん)をありがとう。ところでみんな、野生(やせい)のゴリラの生息地(せいそくち)はどこかわかったかな。

ちょっとわかりにくい世界地図(せかいちず)だけど・・・ みんなのゴリラシールの位置(いち)がアフリカ大陸(たいりく)と南(みなみ)アメリカ大陸(たいりく)にわかれているのはおもしろいなあ。

正解(せいかい)はアフリカ大陸(たいりく)。

現在(げんざい)の熱帯雨林(ねったいうりん)*みどりの部分(ぶぶん)

現在(げんざい)、霊長類(れいちょうるい)の分布(ぶんぷ=わかれて、あちこちにいること)は、アフリカ、アジア、南(みなみ)アメリカの、赤道直下(せきどうちょっか)の熱帯雨林(ねったいうりん)とその周辺(しゅうへん)に集中(しゅうちゅう)している。この熱帯雨林(ねったいうりん)が、かれらの進化(しんか)の舞台(ぶたい)でもあるんだ。

地球(ちきゅう)の陸地(りくち)は大(おお)むかしから何度(なんど)もくりかえし、くりかえし、気候(きこう)や地質(ちしつ)によって変動(へんどう=かわり、うごくこと)してきた。

わたしたちがふだんよく見(み)る世界地図(せかいちず)は、日本(にほん)がまんなかにきているので、ちょっとわかりにくいけれど、これはヨーロッパ中心(ちゅうしん)の地図(ちず)。

今度(こんど)は、この位置(いち)から、大(おお)むかしの、大陸(たいりく)がひとかたまりだったころから、いまの形(かたち)になった動画(どうが)を見(み)てみよう。

大(おお)むかし、つながっていたアフリカ大陸(たいりく)と南(みなみ)アメリカ大陸(たいりく)は、ゆっくりゆっくりと何億年(なんおくねん)もの時間(じかん)をかけて離(はな)れていって、いまの位置(いち)におちついた。

こういった地球(ちきゅう)の大陸(たいりく)の動(うご)きを「大陸移動(たいりくいどう)」と呼(よ)ぶ。

この大陸移動(たいりくいどう)によって、生物(せいぶつ)は大陸(たいりく)と大陸(たいりく)のあいだを移動(いどう)できたり、とじこめられたりしてきた。

コアラ

たとえば、オーストラリア大陸(たいりく)は、コアラやカンガルーなどの有袋類(ゆうたいるい=おなかのふくろで、こどもをそだてるほにゅうるい)がいまでも生息(せいそく)しているね。

かつてはほかの大陸(たいりく)でも生息(せいそく)していたんだが、有袋類(ゆうたいるい)は滅(ほろ)んで、ほかの種(しゅ)にとってかわってしまった。つまり、かれらが生(い)きのこれたのは、この大陸移動(たいりくいどう)のおかげなんだな。

ほかの大陸(たいりく)では、というと、北(きた)アメリカはヨーロッパ大陸(たいりく)とくっついていたのが、しだいに離(はな)れて独立(どくりつ)した大陸(たいりく)になり、1,800万年前(まんねんまえ)に南(みなみ)アメリカと陸(りく)つづきになった。

オポッサム

北(きた)アメリカから肉食(にくしょく)の大型(おおがた)哺乳類(ほにゅうるい)が侵入(しんにゅう)して、南(みなみ)アメリカの有袋類(ゆうたいるい)はオポッサムをのこして全滅(ぜんめつ)してしまったんだ。

さて、話(はなし)はもどって、霊長類(れいちょうるい)はいまから6,500万年前(まんねんまえ)、北半球(きたはんきゅう)にいまのアジア、ヨーロッパ、北(きた)アメリカがつながってできた「ローラシア(LAURASIA)」という大陸(たいりく)の熱帯雨林(ねったいうりん)で誕生(たんじょう)した。

2億年前(おくねんまえ)の世界(せかい)は、大(おお)きくわけて、ローラシア大陸(たいりく)と、ゴンドワナ大陸(たいりく)からできていた、とかんがえらえられている

その後(ご)、ローラシアはゆっくりと北(きた)へ移動(いどう)し、かつては広(ひろ)い範囲(はんい)にあった熱帯雨林(ねったいうりん)も、地球(ちきゅう)の温度(おんど)が寒(さむ)くなったり、乾燥(かんそう)したりと、気候(きこう)の変化(へんか)が起(お)こるたびに、ちいさくなったり、ひろくなったり、をくりかえし、霊長類(れいちょうるい)も、熱帯雨林(ねったいうりん)とともに移動(いどう)した。

やがて、熱帯雨林(ねったいうりん)が現在(げんざい)の赤道(せきどう)近(ちか)くにあつまると、そこが霊長類(れいちょうるい)の生息地(せいそくち)としておちついたんだね。

類人猿(るいじんえん)の祖先(そせん)がアフリカ大陸(たいりく)で誕生(たんじょう)したころには、南北(なんぼく)のアメリカ大陸(たいりく)がアフリカ大陸(たいりく)と離(はな)れたあとだった。だから、類人猿(るいじんえん)はアメリカ大陸(たいりく)には生息(せいそく)していない。

アメリカ大陸(たいりく)に生息(せいそく)している霊長類(れいちょうるい)は、何(なん)らかの方法(ほうほう)――たとえば流木(りゅうぼく)につかまって――で、アフリカ大陸(たいりく)から海(うみ)を渡(わた)ってやってきたと考(かんが)えられている。

とても長(なが)い時間(じかん)をかけて変化(へんか)してきた地球(ちきゅう)とともに、霊長類(れいちょうるい)も住(す)む場所(ばしょ)をもとめながら、移動(いどう)していったのね。わたしもおなかがすいてきたので、移動(いどう)しなきゃ。次回(じかい)をおたのしみに!

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テーマの著者 Anders Norén