心地よい風、澄んだ青空 ―― そんな「読書の秋」にお届けするのは「英語小説」ではなく「英詩」を読む講座。取り上げましたのは、イギリス人詩人のフィリップ・ラーキン(Philip Larkin)作のAt Grass(草をはんで)です。解説は、わたくしの盟友、高橋教授にお願いいたします。では、教授、よろしく。
今回は英語の詩の話をさせてもらいます。文学好きでも、詩を読むのは難儀だという学生さんもいるかもしれません。分からないではありません。
文学は一般に人間とその生活を描き、文学の言葉は日常的に使われている言葉よりもあいまいで、より多くのアイロニーや逆説に満ちていることを、文学が知っているためかもしれません。とくに、詩はこうした言葉の特性を、たとえば、みなさんが多少とも慣れ親しんでいる小説よりも、よりはっきりと示しています。
しかしながら、もしかすると、単に間違った思い込みから詩を敬遠しているだけかもしれない。詩を読むことは必ずしも時間のむだではないと思います。それどころか、詩はほかのものでは得がたい貴重な経験を与えてくれます。わたしたちの人生、わたしたちの希望や絶望について、何かを教えてくれるのですから。
言いかえると、詩はわたしたち自身について、しばしば念入りに音を組み立てることによって、美しい形で語りかけます。言葉で作られた精巧な壺とも言える詩は、わたしたちに美的喜びを与えてくれるのです。
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