夏休み企画第一弾、エトヴァス・ノイエスの「お勧め大会」です。
猛暑が続きますが、そういうときこそ「これぞ、いちばん!」という「物語」をお勧めください。ジャンルはゆるーく、本・映画・演劇・コンサートetc. なんでもOK。
優勝者には素敵な商品を(今から考えますので)ご用意します。ぜひふるってご参加ください!
それでは、エントリーナンバー【1】スコット
こんにちは、スコットです。わたしのお勧めは2011年英・仏・独合作のスパイ映画『裏切りのサーカス』です。
原作は(ポスターにもありますように)スパイ小説の大御所ジョン・ル・カレの『ティンカー、テイラー、ソルジャー・スパイ』。ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
舞台は第二次大戦後の冷戦下、各国のスパイたちがしのぎを削っていた時代のお話です。イギリスの情報機関「サーカス」のボス「コントール」は、度重なる作戦の失敗で、東側への情報漏えいを疑います。そう、自分たちのなかに、ソ連の情報機関「モスクワ・センター」に寝返った二重スパイ(「もぐら」)がいるのではないか、と。
怒るボス「コントロール」
それをつきとめるための作戦がまた失敗、ついに「コントロール」は引退に追い込まれます。彼の右腕だった「スマイリー」も当然クビに。
始終おだやかな「スマイリー」
ところが、ある事件がきっかけで、じつは「コントロール」が言っていたように、二重スパイがいるのではないか、という証拠がでてきます。そのことを密かに調べるように政府の役人から命令されたスマイリー。
証拠をつかんだ工作員の上司ギラムと、退職した警部を部下にしてスマイリーの調査が始まります。
スマイリーの部下となるギラム
ところで…失意のうちに亡くなった「コントロール」の部屋には5つのチェスの駒が残されていました。それぞれの駒には、同僚たちの顔写真が貼られています。
「ティンカー」(Tinker)
「テイラー」(Tailor)
「ソルジャー」(Soldier)
「プアマン」(Poorman)
そして、5つ目の駒には
「ベガ―マン」(Beggarman)
「コントロール」はスマイリーのことさえ信用していなかったのです。
映画の中では主人公スマイリーの眼を通して、現在の調査、過去の出来事、さまざまな情報が飛び交います。さあ、一体「もぐら」は誰なんだ!?どきどきワクワクの2時間です。
ちなみに、このユニークな英語タイトルTinker Sailor Soldier Spyは、古くからイギリスで伝わるマザー・グースの歌のひとつ、Tinker Tailor で、子どもたちが自分の未来を占うときの言葉遊び。
Tinker, Tailor,(鋳掛け屋、仕立て屋)
Soldier, Sailor,(兵隊、船乗り)
Rich Man, Poor Man,(金持ち、貧乏人)
Beggar Man, Thief.(物乞い、泥棒)
映画を観てから原作を読んでも、原作を読んでから映画を観ても大丈夫!ぜひお試しください!
スコットさん、ありがとうございました。みなさんのお勧め「物語」お待ちしてます!
etwasnuesbooks@gmail.comまで。
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