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TJのホワイトハンドコーラス・ストーリー②手歌って何?

こんにちは。TJです。

えりか先生たちは、ホワイトハンドコーラスを「手歌」って呼んでいるんだ。「手話コーラス」とどうちがうのかな。

えりか先生:TJ、こんにちは。いろいろな方に、よく「ホワイトハンドコーラスは手話コーラスなんですか」って聞かれるんだけれど、たんに手話を歌詞に置き換えて伝える「手話コーラス」とはちょっとちがうの。

ホワイトハンドコーラスでは、使う楽器が「声」ではなく、「手」を使っているから「手歌」という名前で呼んでいます。「手歌」は、聴こえない人が手話をベースにして、歌のなかにあるストーリーをどうやって表現しようか、みんなでいっしょに考えながらつくりだす、独自の芸術表現でもあるの。

TJ:そうか!「手話」は手で話す、ってことだから「言葉」だけれど、「手歌」は手で歌う、ってことだから「歌」なんですね。声を出してうたうとき、歌のなかのストーリーを聴いている人たちに届けようと気持をこめているのと同じなんだ。

えりか先生:そうね。声を使わずに、手を使って歌を表現する、だから「手歌」。いい機会だからここで、ちょっとだけ「手歌」をつくるプロセスを教えるわね。

まず、歌詞をそのまま直訳で手話にします。次に、音楽のベースにあわせて手話を乗せていきます。そこで、音の高さ、長さ、強さ、によって、表現の仕方がいろいろと変わってきます。

TJ:ことばひとつひとつを、音楽に合わせて作っていくんですね。

えりか先生:ええ。そのあとで、もう一度、その手話をまったく音の聞こえない人の前でやってみせて、歌詞が伝わるかどうかをチェックします。それがとても重要なポイント。実際に音の聞こえない人たちがコンサートに来て、意味が分からないと困るでしょう? 音楽的な表現でありつつ、歌詞の意味は損なわない、そのバランスを探し出す作業がとても大変なんですよ。

TJ:みんなが歌っていた「もみじ」の歌詞も、えりか先生が作ったんですか。

えりか先生:いいえ、みんなで話し合いながら作ったのよ。歌詞のことばの意味を、歌でどう表現しようと考えているのか、音楽はどんなふうに流れているのかを説明すると、生徒のみんなが「ここはこういう手話がいいね」「ここはこういう感じがするよ」と言ってくれるので、それを採り入れていくの。

えりか先生:TJ、たとえばね「あきの ゆうひに てる やま もみじ」という歌詞があるでしょ。この山はひとつだと思う?それともふたつ?手話ではひとつの山を表すこともできれば、いくつもの山を表すこともできます。そういうとき、みんなで考えるの。「どういう山なんだろうね」って。

TJ:うわっ!表現するっておもしろいんだなあ。

えりか先生:パントマイムと手話を合わせた「サインマイム」のようなアートでもあるの。22日のコンサートでは、福島県・相馬市のエル・システマジャパンのコーラス部のみんなと初めて合唱するのよ。ぜひ、来てね。

TJ:ありがとうございます、先生!

TJのホワイトハンドコーラス・ストーリーはまだまだつづきます!お楽しみに!

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テーマの著者 Anders Norén