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今月の名言はレオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)のことばです。
The smallest feline is a masterpiece.
「ネコ科のいちばん小さなもの、それは最高傑作である」
ダ・ヴィンチはイタリア・ルネサンス期の画家、彫刻家、科学者、技術者、哲学者――つまり「万能の人」(ウォーモ・ウニベルサーレ)。そんな天才のお気に入りがネコ。
ダ・ヴィンチは生涯に900種ともいわれるドローイング(素描)を残しています。そのなかでも人気が高い素描のひとつがこのネコたち。いろいろなネコがいますが、右寄りの寝ているネコなどはおそらく実際のネコを観察しながら描かれたものでしょう。一方で「レオナルド風(Leonardesque)」と呼ばれる様式美に乗っ取った描かれ方をしたドラゴンが(1体だけですが)その下にいます。ライオンは7頭いるようです(同じネコ科ですからね。よく分からないですね)。
この絵の下に見えるダヴィンチのメモによれば(ダヴィンチのメモはすべて鏡文字!)「 からだの屈伸においては、ネコ科のなかではライオンがいちばんだ。かれらは脊柱が柔軟で…(“Of flexion and extension / This animal species, of which the lion is the prince because of its spinal column which is flexible…”)」とあります。ちなみにダヴィンチの時代、フィレンツェではライオンが宮殿で飼われていました。町のシンボルだからです。
2019年はダ・ヴィンチ没後500年で、現在この絵を所有するイギリスの「ロイヤル・コレクション・トラスト」が「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」を英国中で行いました。
では最後に、ダ・ヴィンチに負けないくらいネコ好き絵師(日本代表)を紹介しましょう。
これは無類の猫好きだったと言われる、江戸時代末期の浮世絵師、 歌川国芳(1798-1861)の作品。歌川広重の「東海道五十三次」でもおなじみ、53の各宿場の名前がすべてネコだじゃれで描かれています。
たとえばいちばん右上、スタート地点の「日本橋」は、二本の鰹節をいただいているネコ。つまり「二本+出汁(鰹節でとる出汁)」、左下のゴール地点の「京(きょう)」は、ネコにつかまったネズミの叫び声「ぎゃあう」!
ダヴィンチ同様、ネコ大好き国芳の傑作です。