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教えて!山極隊長!<2>ゴリラはなにをたべるの?

こんにちは、なつです

あけましておめでとうございます。調査隊(ちょうさたい)のみなさん、今年(ことし)もよろしくおねがいします。

きょうは、だれから質問(しつもん)しますか?

調査隊ナンバー90 はるきくん(4さい)

「 はい!ゴリラはごはんなにをたべるの?キャベツ?くさ?」

やあ、はるきくん、こんにちは。

ゴリラのごはんは、おもに草(くさ)だなあ。えっ?あのでかいからだを、はっぱだけでどうやってつくるのかって?

これはセロリを食(た)べるゴリラ

もともと、霊長類(れいちょうるい)の祖先(そせん)は、からだも小(ちい)さくて、夜(よる)のあいだ、嗅覚(きゅうかく=においをつうじて、ものをみわけるはたらき)をたよりに虫(むし)やフルーツをとって食(た)べる生活(せいかつ)をしていた。くらやみなら、敵(てき)にみつかることも少(すく)ないからね。

いまでもそういった性質(せいしつ=うまれつきもっているとくちょう)をうけついでいるのが、アイアイやメガネザル。

アイアイ。アフリカのマダガスカル島(とう)にしかいないんだ
Wikipedia)
メガネザルは東南(とうなん)アジアにすんでいるよ(Wikipedia

かれらはいまでも夜行性(やこうせい=よるにこうどうするせいしつ)で、おもに昆虫(こんちゅう)をたべる生活(せいかつ)をおくっている。かれらを「原猿類(げんえんるい)」という。おぼえておいてね。

一方(いっぽう)、わたしたちがよく「サル」とよんで、なじみのある霊長類(れいちょうるい)は「真猿類(しんえんるい)」という。かれらは原猿類(げんえんるい)にくらべると、体重(たいじゅう)が重(おも)くて、おもに昼間(ひるま)に行動(こうどう)をする。そして、いろいろなものを食(た)べる「雑食(ざっしょく)」だ。

マウンテンゴリラのかぞくのごはんタイム!
(Juichi Yamagiwa)

上(うえ)の写真(しゃしん)は、くだものが少(すく)ない山地(さんち)に住(す)むマウンテンゴリラだ。かれらは、ほとんど完全(かんぜん)な植物食(しょくぶつしょく=くさをたべる)で、1年中(ねんじゅう)地面(じめん)にはえているアザミ、セロリ、イラクサの葉(は)や、ずい、木(き)の皮(かわ)やねっこ、タケノコなどを食(た)べている。

はっぱなどについた虫(むし)も口(くち)にはしているけれど、たいした量(りょう)じゃない。くだものがなれば食(た)べるけれど、これも季節(きせつ)によってしか食(た)べられないし、ほかの動物(どうぶつ)たちもくだものは大好物(だいこうぶつ)だから競争(きょうそう)しなきゃならない。

そこで、ゴリラはアイアイたちのような昆虫食(こんちゅうしょく=むしをたべる)ではなく、どこにでもはえている草(くさ)から栄養(えいよう)をとる作戦(さくせん)にかえたんだな。

① ライバルがいなくて

② どこにでも食糧がある

このおかげで、ゴリラはどんどん体(からだ)が大(おお)きくなってきた。

それに、体(からだ)を大(おお)きくするゴリラにとっていいことがもうひとつある。それは、はっぱに含(ふく)まれている毒物(どくぶつ)を薄(うす)める効果(こうか)がある、ってこと。

そのいい例(れい)がゾウだね。

でも、ゴリラやチンパンジーなど、ヒトに近(ちか)い類人猿(るいじんえん)は、サルほど強(つよ)い消化器(しょうかき=いぶくろやちょうのこと)を発達(はったつ)させなかった。

だから、毒性(どくせい)の少(すく)ない熟(じゅく)したくだものや、毒(どく)の蓄積(ちくせき=たまっていくこと)を防(ふせ)ぐために、いろいろな種類(しゅるい)の葉(は)をすこしずつ食(た)べるようになったんだ。

*******

さて、モンタの顔(かお)、どことなくヒトに似(に)ていなかった?

それぞれ形(かたち)はヒトのものと多少(たしょう)ちがっていても、目鼻(めはな)の形(かたち)や場所(ばしょ)が似(に)ていることにきづいたかな。

馬(うま)のかおと・・
モンタのかおをくらべてみると・・

鼻(はな)がウマみたいに長(なが)くないし、目(め)も顔(かお)の前方(ぜんぽう)にあるでしょう。これはものを立体的(りったいてき)にみるためなんだ。

なんでかっていうと、真猿類(しんえんるい)は嗅覚(きゅうかく)ではなく、視覚(しかく=みることによって、ものをみわけるはたらき)を発達(はったつ)させていったから。

昼間(ひるま)、ジャングルのなかで食(た)べものを見(み)つけるには、目(め)がよくないとむずかしいだろう?おまけに 色彩(しきさい)を認知(にんち)することも必要(ひつよう)になったんだ。 くだものの色(いろ)をみわけられるようにね。

もうひとつ重要(じゅうよう)なのは、触覚(しょっかく=さわることによって、ものをみわけるはたらき)。モンタやフトシの手(て)を見(み)たかな?親指(おやゆび)とほかの指(ゆび)が向(む)き合(あ)うようになっているでしょう。食(た)べごろの木(き)の実(み)やくだものをじょうずに採(と)ることができるのは、このしくみのおかげ。

このゴリラは指(ゆび)をじょうずにつかっているね
ああ、わたしの手(て)だとむずかしいわ

ははは!でもね、ゴリラも親指(おやゆび)は中指(なかゆび)までしか向(む)き合(あ)わせることができないんだよ。

小指(こゆび)まで全部(ぜんぶ)の指(ゆび)と親指(おやゆび)を向(む)き合(あ)わせることができるのは、じつはヒトだけなんだなあ。

いや~、びっくり。ヒトの手(て)ってすごいんですね。次回(じかい)までに質問(しつもん)かんがえよーっと!

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テーマの著者 Anders Norén