きょうは、とある高校へおじゃまいたしました。こんにちは、岡野先生。
はい。みなさん、こんにちは。白陵高等学校の岡野です。
白陵高校では、毎年運動会前に各クラスが竹で骨組みを作り、ダンボール、模造紙を貼りペンキで色を塗り、高さ6メートルもの「デコレーション」と呼ばれるものを作るのが
伝統
でした。それらを運動会の各クラスの後ろに立てて競技を盛り上げるのです。
これは保護者と職員によって投票され、閉会式でその結果が発表され「デコレーション」優勝クラスには大きな「同窓会長杯」が贈られ、さらに盛り上がるわけでした。
そして運動会終了後、その各クラスのデコレーションを運動場の真ん中に積み上げて燃やし、周りで高校生が歌を歌ったり踊ったり走りまわったりする、という伝統がありました。
ところが・・・ダイオキシン問題が出てきたあたりから「デコレーション」は燃やすことができなくなり、自動的にその伝統が終了し、「不燃ごみ」で出せる平面の大きな絵になりました。
そうなって数年経ち、その伝統を何らかの形で残せないかという思いが私に湧き上がってきました。
そして学校に、デコレーションの伝統を残すために校門に一体のみ作らせてほしいと申し出たのです。一体くらいならなあ・・・ということで、その年(2000年)から今年(2019年)までに合計20体の「デコレーション」を作ってきました。
最初は伝統を生徒たちにも受け継がせるという名目で何名かに手伝わせていましたが ―― 当たり前のことですが ―― 彼らに教えても卒業していってしまうわけで、なかなか受け継がれていくというのは難しいことに気づき始めました。
そしていつのころか、学園祭が近づいてくると黙々とこの「デコレーション」製作活動に打ち込むのが自分自身の恒例行事となったわけです。
しかし、この「デコレーション」、すごく短命なんです。文化祭の前日にとりつけて、1週間後の運動会まで飾ってそれで終わりです。
エルサみたいにかわいくて人気のある「デコレーション」は (卒業生の親ごさんが園長している)幼稚園がほしいって言ってくれて、幼稚園に飾ってもらえるんですが
このようにTレックスのような怖い顔は学園祭が終わったら分解されて処分されます。
その短命さがまた美しいんですね・・・。
さて、今年はどうなったかと申しますと、弟子たち(生徒たち)が伝統を守るために立ち上がってくれました。
みんな、ありがとう!伝統、守れたぞー!