こんにちは、ジャックです。
昨日は、東京・代々木で行われたICAN事務局長のフィンさんの基調講演に行ってまいりました。
フィンさんの講演を一部紹介しましょう。
核兵器というのは核兵器の使用防止をするために存在している兵器と言われています。だれも核戦争を望む人はいません。ただ、核兵器を持って核戦争を防ごうという論理です。ところが核兵器の抑止力が働いていないのが現実です。わたしたちはそれについて議論を始めなければなりません。
来日して感動したのは、日本の人たちが非常に大きな情熱をもって「核兵器を廃絶したい」と、口々におっしゃっていることです。広島や長崎を訪れたときに、被爆者の方たちやその身内の方たち、町を再興された方たちにお会いしました。しかし、そういう方たちだけでなく、新しい世代の青年たちが、これらのストーリーを継承して、将来のためにつなげていこうと考えていることに非常に感動しました。
わたしたち人類は、このような大量殺りく、大量破壊をする兵器を70年間廃絶しようと努力してまいりました。しかし実際、わたしたちはいまでも核兵器によって生存の脅威にさらされています。警告もないまま一瞬で抹殺されてしまう脅威に、です。
わたしたちにはこれに対して声を上げる権利があります。自分たちの前の世代には解決できなかったこの問題を、わたしたちは解決できますし、解決しなければならない。では、どうやってやりましょう。
まず、政治的な意志を創り出します。次に、政治的な解決策を考えなければなりません。それにはまず、「核兵器は市民を無差別に殺す武器だ」ということを政治家に理解させることが必要です。今まで核兵器は「国の力の象徴」となっていましたが、核兵器は「恥の象徴」と、価値の転換を試みなければなりません。
歴史的には、ある兵器を禁止することが、その兵器を廃絶する第一歩となってきました。化学兵器、生物兵器、対人地雷、クラスター爆弾などがそうです。このような国際条約によって非合法化された兵器というのは、法に違反しているということで、その兵器を使う国の政治的ステイタスをなくしていきます。ですから、核兵器を持っていることはクールだ、という子どもじみた考えをなくすことが必要なのです。
現在、核戦争の危険度は増しています。核兵器を作り、使えるようにしている国もあれば、実際に飛ばしている国もある。一方で、わたしたちは核兵器を禁止するところに近づいています。昨年、核兵器禁止条約の採択に世界122か国が合意のサインをしました。これによって枠組みがつくられ、50か国が批准すれば禁止条約は発効されます。
この条約によって、各国で国会などによる審議が始まり、兵器を持つべきではないという市民社会の意見が始まり、世界の声が高まってきます。こういうことは非常に困難なことではありますが、必ず達成できます。十分な多くの人たちが声をあげ反対すれば、核兵器を廃絶しようと行動を起こせば、必ず実現されることです。
核兵器は広島・長崎で使用されて、それ以降は使われていないと言われています。しかし、これは指導者たちが優秀だったからではなく、たまたま幸運によって核兵器が使われなかっただけです。わたしたちは運が尽きるのを待っているだけではいけません。数学者いわく、核兵器が使われる可能性の確率は決してゼロではない、ということは、ある程度の時間があればどこかで必ず核兵器は使われます。
核兵器禁止条約を推進している、といいますと、あなたたちは世の中のことをよく分かっていない、ナイーブだ、非合理的だ、考え方が甘いとよく言われます。けれども、最終的に核兵器を使うというストーリーと、核兵器を廃絶するというストーリーのどちらが合理的ですか?
わたしたちはナイーブでもなければ、非合理的でもありません。わたしたちは人類の側に立っています。人類の生存の側に立っています。わたしたちは何もしないで手を拱いている、ということはできません。何もしないのは核兵器を温存する側についているということになるからです。
実際にこの兵器が使われたときのことを考えてみてください。空が落ちてくる―ある朝、とつぜん、予告もなしに―73年前に起こったことです。わたしたちは核兵器に対して恐怖を抱くべきだと思います。これまでの歴史のなかで、核兵器の使用にもっとも近いのが今だと思います。ほんとうにショッキングなことですが、毎日、世界のどこかで国々がお互いに地図上から抹殺しよう戦っている状態です。
ただ実は、世界のリーダーたちが核兵器を廃絶しようとするところにも近づいています。わたしたちが希望を持っている理由があるのはここです。希望によって、わたしたちも恐怖心に打ち勝たなければならないのです。
わたしたちICANは、許可を待ち続けることを辞めました。さまざまな人たちにこれがいかに難しいことをくどくど話されることにも飽きました。わたしたちの意見を聞かれるまで辛抱強く待つことも辞めました。テーブルの席があくまで待ち続けることも辞めました。
じゃあ、何をやりましょうか?自分たちの手で自分たちのテーブルを作ったのです。そのテーブルの席に、きょうご来席のみなさん全員についていただきたい。核兵器がわたしたちを破壊させる前に、わたしたちが核兵器に終わりをつげなければなりません。
よりよい未来に対する希望。一瞬に破壊される脅威におびえながら生き続ける未来ではなく、もっと希望のある未来に対する希望です。わたしたちにはそれを求める権利があると思うし、価値があります。政治家には、わたしたちの希望はそこにある、と示しましょう。わたしたちの声で、核兵器を必ず廃絶しましょう。それがわたしたちの目指す核兵器廃絶への道筋です。みなさんがたと一緒にそれを達成するために協力していくことをたいへん楽しみにしております。
ありがとうございました。
SGHの高校生たちと!
フィン事務局長、ありがとうございました。
Saburo Kuramochi 2018年1月20日
フィン事務局長のお話に納得しました。
私が住んでいる市も含めて日本の多くの自治体は核をもたない。つくらない、持ちこませないという非核三原則を宣言しています。
この市民たちの要望にそって政府は条約を批准してください。批准することこそ国民が核攻撃される危険性をゼロにする方法です。批准しなければ、ふたたび核の惨害をうけます。安部首相、はやく批准して、国民を安心させてください。