きょうはイタリア・ローマにお住まいのテレサさんからお散歩手紙をいただきました。
でんこさん、元気かしら。昨日、わたしも散歩に行ったのよ、ファルネーゼ広場まで。この広場にはファルネーゼ宮殿という、ルネサンス時代の美しい宮殿があるの。ファルネーゼというのは古くからある貴族の家系で、ローマ教皇や枢機卿を出したことで知られる名門貴族。現在は、ファルネーゼ家と関わり合いがあったフランスが大使館として使っているのだけれど、老朽化のための修復作業に入っています。
じつは修理期間中アーティストたちに参加してもらって、現代アートを鑑賞できるような仕組みになっているの。宮殿の外壁の前に飾られているのはフランス人ストリート・アーティストのJRによる「消失点 (Punto di fuga)」という作品。アナモルフォルスの一種で、目の錯覚によって平面の絵画がまるで建物の内部のように立体的に見えているのね。
工事中の足場を隠す役目もすると同時に、私たちの目も楽しませてくれるのよ。でんこさん、ローマにもお散歩にきてね。