ふだんは関東近辺を散歩するでんこです。でも今回は、弾丸散歩で京都まで足をのばしました。のばしすぎ…?
広い本堂を、煙がたなびくように音階が上下する僧侶たちの声が流れていきます。地元の方も観光客も修学旅行生も―だれもが贅沢な空間を味わえます。見どころがある京都ですからついスケジュールにせかされますけれど、ここは行ってみたい場所を数個だけ選んでじっくり過ごすのも京都散歩のコツ。
京都散歩の醍醐味は、なんといっても市内を流れる鴨川散歩。京都の地図で鴨川はよくYの字で表されますがそのYのつながっている部分。右側は高野川といって京都と滋賀の境を源流にする一級河川で、出町柳駅付近(ここ)で鴨川に合流します。
ちなみにここから10分ほど歩けば京都大学。野生動物研究センター所長・伊谷教授にご挨拶ができます。研究室から1分のところには宮内庁御用達の手作り金平糖のお店「緑寿庵清水 (りょくじゅあんしみず)」があるのでぜひお立ち寄りを。
もち米を砕いた「イラ粉」と呼ばれる粒を大きな釜に入れ、砂糖を溶かした蜜をかけて、徐々に水分を飛ばして乾燥、また蜜をかける、それを約20日かけて繰り返すと表面のイガイガが出来上がる、という非常に根気がいるお菓子なのです。
鴨川と金平糖を堪能したあとは、市内中心に戻って南座へ!築地本願寺から歩いてすぐの歌舞伎座・姉妹店。入口前はお芝居を観に来た人たちがスマホ片手に御贔屓の役者さんの名前を激写。
役者さんたちの名前の札は「まねき」といいます。江戸時代、宣伝のために劇場前をいろいろな文字や絵で飾り付けていましたが、その看板のひとつがまねき看板です。看板の上には庵形をつけ、「勘亭流」と呼ばれる文字でひとりひとりの名をしるし、名前の上にはその役者さんの紋がついているのが特徴です。
南座のまねきの文字は書家の川勝清歩(かわかつ せいほ)さんが担当。文字の照りを良くするために清酒と、風雨にさらされるなど屋外環境の中でも耐えうるためのニカワを混ぜた墨を使います。
歌舞伎座よりはこじんまりした作りですが、その分、役者さんたちの迫力ある演技が間近で楽しめます。観客席に仕事前の芸妓さんたちがちらほら見えるのもさすが京都!
この日のお昼の演目は「三人吉三巴白浪」と「身替座禅」。たいていの演目は1時間程度。その物語のなかでもいちばんの場面を切り取って演じられます。ですからごはんの前にちょこっと観たいな、ごひいきの役者さんをちらっと観たいな、ということも可能。ただし、人気がある演目は予約で一杯ということもありますのでご注意を。
夕方はちょっとだけ小腹を満たすため「壹銭洋食」へ。昭和の感じがたまらない、京都のお好み焼きカフェです。具材は食べてのお楽しみ。
〆はこちら、南座のある四条通を横にはいった花見小路に行ってみましょう。
ラストはでんこお勧めのカフェ、祇園四条駅近くの「ブルー ファー ツリー」。ここではこのパンケーキが名物でしたが、すでにお腹が満杯となりお勧めは食べることができず珈琲のみで終了。
【本日の散歩コースで立ち寄ったところ】
西本願寺(通称「お西さん」)
加茂大橋(鴨川と高野川の合流地点)
緑寿庵清水(手作り金平糖)
南座(1月は松竹新劇の公演です)
壹銭洋食(バック・トゥー・昭和)
栩栩膳(京都のお酒も美味)
ブルー ファー ツリー(幻のホットケーキは次回)