緊急事態宣言も解除されましたが、お変わりなくお過ごしでしたか?久しぶりのふらっと散歩です。本日は高田馬場駅からスタートして雑司ヶ谷周辺で寄り道し、池袋駅まで歩きます。新宿区から豊島区の越境です。
こちらが高田馬場駅。早稲田大学をはじめ学校が多数あるイメージです。駅を降りてからも若者たちがたくさんいる印象。それではさっそく「水」ポイントです。
雑司ヶ谷周辺ポイント①神田川
言わずと知れた、歌にもなっている有名な川、神田川。このあたりにも細く流れています。これは高塚(たかつか)橋からの風景。目黒川と違って川らしく(?)湾曲し、たくさんの橋がかかっています。
神田川の源流は井の頭公園の池。古くから農業用水や生活様水として人々の生活に深くかかわっており、江戸時代は神田上水と呼ばれていました。以前の散歩で紹介しました、かの松尾芭蕉が神田上水の工事に携わっていたのはみなさんもご記憶にあるかと思います。
下流部は東京湾に直接注いでいたのを改変し、日本橋川や御茶ノ水の掘割などで墨田川と結ばれ、江戸・東京の重要な物資輸送路として機能していたそうです。
しかし流域の都市化に伴い大雨が一気に集まるようになり、これまでしばしば氾濫を繰り返していました。様々な対策が進められ、1970年代には全域が深い直立護岸になるなど近代的な河川整備が行われました。
明治通りに突き当たりました。「一級河川 神田川」とあります。高戸(たかと)橋を渡り、ここから豊島区です。
Q一級河川と二級河川のちがいは?
A河川は上流部から小さな河川が合流し、この合流を繰り返しながら海へ向かうにしたがい、大きな河川となっていきます。これら一群の河川を合わせた単位が「水系」。1965年に施行された河川法によって、国土保全上又は国民経済上特に重要な水系で政令で指定された河川が「一級水系」と呼ばれています。
そのうち、河川法による管理を行う必要があり、国土交通大臣が指定(区間を限定)した河川が「一級河川」。「二級河川」は、一級水系以外の水系で公共の利害に重要な関係があるもので、河川法による管理を行う必要があり、都道府県知事が指定(区間を限定)した河川のこと。
一級河川と二級河川は水系が違うので、同じ水系内に一級河川と二級河川はありません。埼玉県や滋賀県などに二級河川がないのはそのため。一般的には一級河川の方が規模も大きく、洪水等による災害が発生した場合の被害が大きい川です。現在(平成17年4月30日)、一級河川は13,994河川が指定され、二級河川は7,090河川が指定されています。(国土交通省Websiteより)
ゆるやかな坂をのぼると、左手に見えてくるのが次のポイント。
雑司ヶ谷周辺ポイント②学習院大学
この1901年建造の正門など、7つの建造物が国の登録有形文化財です。名所ではなく、まさかの大学ですが100年以上の歴史があります。遡ること1847年、幕末の京都に設けられた公家の教育機関が起源で、1849年に孝明天皇より「学習院」の額(=勅額)が下賜されたことで学習院の名称がはじまりました。創立は1877年とされ、華族学校が神田錦町に開設されて、明治天皇の勅諭によりかつて京都にあった学習院の名が継承されました。
構内には自由に入れませんが、「血洗いの池」という一瞬びっくりする名前の池と、松尾芭蕉の句碑があります。
前者は赤穂浪士の一人が高田馬場の決闘で仇を討った際にこの池で刀を洗ったことから来ている――という説がありましたが、じつは大正時代の学生さんたちが作った都市伝説だそうです。
後者の芭蕉の句は文化7年(1810)、雑司ヶ谷の俳人金子直徳によって、富士見茶屋の傍らに建てられました。
目にかかる 時や殊更 五月茶屋
江戸時代、眺望に優れたこの地は富士見台と呼ばれていたそう。その見晴らしのよい富士見台に立つ富士見茶屋、別名珍々亭には多くの風流人が訪れました。初代歌川広重の連作「富士三十六景」のひとつ「雑司ヶ谷不二見茶屋」は、ここからの風景を描いたものと言われています。
先へ進みましょう。鬼子母神前駅を過ぎて少し歩くと、右側にこんもりした木々。
雑司ヶ谷周辺ポイント③鬼子母神堂
国指定の重要文化財、雑司ヶ谷鬼子母神堂(正しくは「鬼」の頭の点がない漢字を使用)に到着です。1561年、清土(現在の文京区目白台)で掘り出された鬼子母神像を、現在の場所に堂を建てて安置したことにはじまります。江戸時代前期から将軍の御成りがあるなど、子育て・安産の神として武家から庶民まで広く信仰されていました。
境内には駄菓子屋さん、雑司ヶ谷七福神の大黒天様、お稲荷さん、天然記念物指定の大イチョウなど様々なものがあります。上の駄菓子屋さんは創業1781年!江戸時代から続いていて、13代目の店主のおばあちゃんが歴史あるお店を守り続けています。なんとなく勇気がなかったけど何か買えばよかった…。
そのすぐ近くには東京音楽大学。ここも中には入れませんがちらっと寄り道しましょう。付属の高等学校・幼稚園・図書館・民族音楽研究所も同じ場所にあるようです。周囲を歩いていると管楽器の音が校舎から聞こえてきます。音楽大学ってどんなキャンパスライフなんだろうと想像を膨らませつつ、元の大通りに戻ります。
徐々に人の流れが増えて、色とりどりの看板が増えていき、池袋駅に近づいていっているなと雰囲気でわかります。今回も明るいうちに池袋駅に到着しました。
本日の散歩メニュー
・スタート:高田馬場駅
・目的地:池袋駅
・歩数:6,000歩くらい
・時間:ゆっくり歩いて1時間くらい
・雑司ヶ谷周辺ポイント:神田川、学習院大学、鬼子母神堂