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大人読書計画◆お勧めの本「科学者は戦争で何をしたのか」

いらっしゃいませ、フクロウ書店です

次はどんな本を紹介していただけるのでしょうか。バイト候補の方、POP作りよろしくお願いいたします。

エントリーナンバー7のとよこです

先日、映画『パンケーキを毒見する』を観た。現政権の初期支持率が異常に高かったのは「パンケーキを愛する総理」が若者に受けたのではないか、とのことだ。人間の偏見や印象というものは所詮そんなもの。死にそうな体験がない限り、当事者としての想像力が働かない限り、私たちはそんなフレーズで簡単になびいてしまう。だからこそ、この夏とくに若い人にお勧めしたいのが本書である。

著者は幼い頃、目の前に焼夷弾が落ちた強烈な体験から、戦争の恐ろしさを科学者の立場から長年訴えてきた。幸いにも焼夷弾は不発弾だったが、その時のことをただ一過性の体験だとする人物なら、単に科学者としての活動に邁進されただけであろう。これから大学で勉強する人たちには、大学が研究助成費との交換に、研究内容を軍事とのデュアルユースになびいていかないよう、生命倫理というものを確固たるものとして土台に置く場であることを、本書を通じて肝に銘じてほしい。

肝に銘じて読ませていただきます
まだまだバイト募集チュー

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1 コメント

  1. フクロウ書店主 2021年10月11日 — 投稿者

    とよこ店員、一度は読んだほうがよい本をご紹介いただきありがとうございます。

    益川先生は2008年ノーベル物理学賞を受賞した素粒子理論の専門家であり、九条科学の会の呼びかけ人。本書では科学者の研究は人類のプラスにもマイナスにもなることを科学者自身が理解し、マイナス部分には決して使われないようにすることが科学者の使命でもあることを語っています。

    こうした考え方を若き益川青年に叩き込んでくれたのは、恩師、坂田晶一先生でした。科学者は科学者として学問を愛するより以前に、まず人間として人類を愛さなければならない―坂田先生の言葉はキュリー夫妻の言葉でもあり、アインシュタインの言葉でもあります。

    心に残ったことば
    「人間は弱いものです。私も臆病だし、怖がりだし、できることなら自分の好きな研究だけに没頭していたい。しかし、それではどんな研究も科学者の自己満足で終わってしまいます。臆病でも弱くても、自分の研究がどんな使い方をされるのか、そこだけはしっかりと目を見開いて、本質を見抜かなければいけないと思います」

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