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Enough to make a cat laugh(ネコを笑わせるほどおかしい=とほうもなくおかしい)
この言い回しは、18世紀後半に流行したブルレッタ(Burletta)という喜歌劇(一般的にはハッピーエンドで終わるコメディー歌劇)のある出し物のセリフから生まれたという説があります。劇の名前はみなさんもよくご存じの『長ぐつをはいたネコ』。
お話自体はヨーロッパの民話ですが、そのなかでも有名なのがフランスの詩人シャルル・ペローが書いたもの。そのペローの童話をミュージカル仕立てにしたブルレッタが、1837年、イギリス・ロンドンにある王立オリンピック劇場で大成功を収めました。
<あらすじ>
粉屋を営んでいた叔父が亡くなり、3人の甥たちが叔父の遺産をもらい受けます。一番上のリチャード兄さんは粉屋を、二番目のロビン兄さんはロバを、そして末っ子のラルフはネコを。
ちょうどそのとき、物乞いの女が粉やの前にやってきました。女は食べものを恵んでほしいと言いますが、リチャード兄さんとロビン兄さんは相手にもしません。ラルフだけが「食べものはないけれど、ネコでよければ…(!)」と言います。
この物乞い、じつは妖精の扮装した姿でした。妖精はラルフが譲り受けたネコに「立ちなさい!おまえは今日から『長ぐつをはいたネコ』という名にしよう」と声をかけます。すると、かごからでてきたネコは2本足で立ちあがり、ラルフの召し使いとしてふるまい始めました。
「ご主人さま、よろしいですか。村人たちがうわさすることには、今日は王様が狩りにやってくる日だそうです。さあ、いそいで城を手に入れて、王様のお嬢様、バラのつぼみ姫を喜ばせましょう。そうすればご主人さまには姫君とご結婚、という素晴らしい未来が待っていますから」
長ぐつをはいたネコは、パセリと麦をいれた大きな袋を手に取って森の中でウサギを捕まえます。そしてあとからやって来た王様の前で恭しく「これはカラバ侯爵からの贈り物でございます」と獲物を献上しました。
思わぬ贈り物に気をよくした王様は、長ぐつをはいたネコも連れて森を進みます。するとネコは、はだかになって川でおぼれているふりをするラルフを指さし、「カラバ侯爵が強盗にあって身ぐるみはがれてしまった」と王様に伝えます。王様は、「カラバ侯爵」ことラルフを助けると新しい服を着せ馬車に乗せます。ラルフはネコに言われたとおり姫君に楽しい話をたくさんして喜ばせ、かわいらしい姫君はすっかりラルフのことが好きになりました。
一方、長ぐつをはいたネコは彼らの先回りをして、行く先々で村人たちにこう言います。
「これから王様一行がお通りになられるが、『ここは誰のものだ』と聞かれたら『カラバ侯爵のご領地です』と答えるがいい。もし言わなければズタズタに引き裂いてやるぞ!」
長ぐつをはいたネコは大急ぎで、今度は領地の持ち主の巨大な怪物オーガ(Orge)の城へ行きました。
ネコはオーガに話しかけ、オーガがなんにでも変身できる指輪を持っていることを聞き出します。「ライオンにだって変身できるんだぞ」というなり、大きなライオンに変身したオーガを見て、ネコは震えるふりをすると「しかしながら、ネズミのような小さなものには変身できますまい」と言います。怒ったオーガは「できないだと?大バカめが!」というなり大きなライオンから小さなネズミに早変わり。
「どうやらおまえはネズミのようだが、おれさまはネズミ捕りさ!(I think that you’re a mouse, but I’m a mouser!)」
オーガ退治を済ませたネコは、王様一行を「カラバ侯爵の城へようこそ」と出迎えます。りっぱな城を大層気に入った王様は、ラルフと姫君の結婚をさっそくとり行いました。
劇のフィナーレは、ラルフと王様とネコのかけあいの歌で終わります。ネコの歌詞パートにでてくるのがこれ:
♪「気苦労はネコを殺す(心配は身の毒)」ということわざがありますが
そのとおり、認めましょう。
その代わり、これもお許しいただきましょう
ばかげた気苦労を殺すネコを。
♪今宵いちどでもあなたを笑わすことができたなら
さあ、その笑いの見返りに
どうか拍手喝采を
ネコを笑わせることができるほどの喝采を!(Allow us just applause to win / Enough to make a cat laugh!)
ちなみにこのブルレッタのタイトルは
Puss In Boots; An original, Comical, Magical, Mew-sical, Fairy Burletta,
「長ぐつをはいたネコ」オリジナルでコミカルでマジカルでニャオ~ジカルでおとぎばなしのブルレッタ
観てみたくなるでしょう?