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今月はふたたび『不思議の国のアリス』のチェシャネコから。シロウサギのあとを追って、不思議の国に迷い込んだアリスは、そこに住むさまざまな住人たちと出会います。
第八章の「女王陛下のクロッケー場(The Queen’s Croquet-Ground)」では、アリスは癇癪持ちのハートの女王主催のクロッケー大会に出場することとなります。
クロッケー(Croquet)はイギリス発祥の球技。マレットという木槌で球を打ち、6個のフープ(門)を通して、最後に中央に立っているペグ(杭)に当てる早さを競います。ちなみに、このクロッケーをヒントに作られたのがゲートボールで、こちらは日本発祥のスポーツ。
女王に勝つことはだれも許されそうもないことを察したアリスはどうにか逃げようとあたりをみまわしますが、そこにはにやりと笑った口(a grin)がありました。「チェシャネコだわ(It’s the Cheshire Cat!)」
アリスが「友人のチェシャネコです」とハートの王様にチェシャネコを紹介するところで、5月のカレンダーのセリフが登場します。
‘I don’t like the look of it at all, ” said the King: ‘however, it may kiss my hand if it likes,’
‘I’d rather not,’ the Cat remarked.
王様は「見かけは気に入らぬが、望みとあればわしの手にキスしてかまわんぞ」とチェシャネコに挨拶の許しを与えるのですが、チェシャネコは「遠慮しときましょう(I’d rather not.)」とつれない返事。
I’d rather not.はI would rather not …. 「できれば…はしたくない、むしろ…したくない」という意味。遠まわしに「やだ」という気持ちを伝えるときに使い勝手のよい表現。
チェシャネコの首を切れ!という女王の命令に、胴体のないものはどうやって切ればいいのか、みんなが議論しているあいだにチェシャネコは消えてしまいました。
なかなか一筋縄ではいかないチェシャネコ。だから人気が高いのかもしれませんな。