新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が、昨日17日から日本でも始まりました。１６日の「春秋おじさん」でも解説のあった経済用語「ラストワンマイル（the last (one) mile)」が出てくるアメリカのニュース専門報道局CNBCの記事を読んでみましょう。まずはいつものように、タイトルから。
Last-mile delivery problems hampering pace of Covid vaccine rollout, distributors say
Last-mile deliveryについては「春秋おじさん」の解説に任せて・・・動詞 hampering <hamperは「妨害する、邪魔する」の意味。コロナウイルスの学術名称も、この際覚えましょう。
Covid
Covid-19 (coronavirus disease 2019, 新型コロナウイルス感染症)。ちなみに「ワクチン（vaccine）」の発音は【væksíːn】です。これもいっしょに覚えましょう。
rollout
rolloutは”the act of making something, especially a product or service, available for the first time（あるものを、とくに製品やサービスなどを初めて利用可能にすること）”、日本語でも「ロールアウト」で「新製品を初公開したり、新たなサービスを運用開始したりすること」を表します。
distributorは”a person or organization that supplies goods to shops and companies（お店や会社に商品を供給する人や組織のこと）”を表しますから、タイトルの訳は？
コロナワクチンの供給ペースを妨げるラストマイル問題について、配送業者の言い分
今回は記事のあたまにKEY POINTS（要点）がでています。ここを読めば大体の意味が分かる、という親切な構成になっています。世界の隅々まで（to every corner of the world）「安全かつタイムリーな配送を確保し（”ensure safe and timely delivery”）」コロナワクチンを届けなければならないこと、配給業者がワクチンの大量輸送を一斉に行うことで、コロナウイルスの世界流行（coronavirus pandemic）に終止符が打たれそうだ、という２点に注意して読んでいきましょう。
inoculation
「予防接種」のこと。vaccination（ワクチン接種）という単語も一緒に覚えましょう。 動詞はinoculateで「植え付ける」こと。その意味から派生して”to cause to be influenced or imbued, as with ideas or opinions（思想や考えの影響を与えたり植え付けたりすること）”という意味もあります。
dose
doseは”a measured amount of something such as medicine（薬など、ある測定された量のこと）”で、薬なら「一回分の服用量」のことを言います。administer [receive] a dose（投薬する［投薬を受ける］）など、よく用いられる動詞と一緒に覚えましょう。ちなみにa fatal doseは「致死量」のこと。推理小説にでてくる、かもね。
bottleneck
文字通りにとれば「瓶の首のところ」ですが、瓶の首が狭いことから「物事の進行の妨げとなるもののこと（a problem that delays progress）」という意味。狭くなっていくような通り、交通が渋滞する地点などもbottleneckです。
cold chain
これも「春秋おじさん」で解説されていた「低温物流」のこと。今回のワクチン輸送のような医薬品だけでなく、生鮮食品などを、生産・輸送・消費の過程で途切れることなく低温に保つ物流方式全般を指します。
日本国内では、東京都目黒区の東京医療センターで、ファイザー製のワクチンを接種したお医者さんが第一号。このあと、全国100カ所の病院で約４万人の医療従事者の方たちが先行接種する予定です。記事のとおり、生産者から現場までの滞りのない供給確保が、コロナ終止符のカギとなるんですね。記事のPDF版はこちらからダウンロードできます。個人学習用にお使いください。