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さて、2月に取り上げた名言はみなさんもご存じの『不思議の国のアリス』からです。
“Do cats eat bats?” “Do bats eat cats?” 「キャットはバットを食べるかしら」「バットはキャットを食べるかしら」
主人公のアリスが、読書をするお姉さんのそばで暇をもてあましているところから物語は始まります。暑さのあまりぼーっとしているアリスの前を1匹の白ウサギが通りかかるのですが、なんとそのウサギ、こんな独り言をいうのです:「こりゃたいへん!たいへんだ!遅遅れてしまうぞ!(”Oh dear! Oh dear! I shall be too late!”)」
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垣根の下のウサギ穴に飛び込んだ白ウサギを追いかけて、アリスもすぐさま穴にダイブ!真っ暗な中を下へ下へと落ちていきます。あまりに長い間落ちているので、また退屈になったアリスは、家にいる飼い猫のダイナ(Dinah)のことを思いだしこう口ずさみます。
「ダイナがここに一緒にいたらよかったのに!でもここにはネズミがいないわね、でも、コウモリだったら捕れるんじゃないかしら。あれってネズミに似ているし。でもネコってコウモリ食べるのかしら?(But do cats eat bats, I wonder?)・・・ネコはコウモリを食べる?ネコはコウモリを食べる?コウモリはネコを食べる?(Do bats eat cats?)
あれれ???
そうこうしているうちにアリスはようやく穴の底に着地するのでした。
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作者ルイス・キャロル(Lewis Carroll, 1832-1898)は、イギリスの著名な数学者でした。一方で、物語や詩を書くことにも秀でていて、友人の娘たちのひとり、アリス・リデルにせがまれて作った話が『不思議の国のアリス』の元になりました。
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当時の子供向けの本といえば、どれも教訓がはいったものばかりでしたが、『不思議の国のアリス』は教訓なんて一つも入っておらず、子どもたちが大好きな言葉遊びや摩訶不思議な動物たちにあふれている、画期的な児童小説だったのです。
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catとbat、ネコとコウモリ、日本語だとかけ離れてしまいますが、実は口ずさむと楽しくなる仕掛けだったんですね。『不思議の国のアリス』、ぜひ英語で読んでみてください。