昨年末から今月にかけて行われている、関野先生とその仲間の研究者の方々による「嫌われ者、鼻つまみ者、日陰者の生き物たちの復権」連続講座にちなんだ話題「堆肥葬」について読んでみましょう。
連続講座では、生態系の循環のために働く「虫」たちを中心としたお話を聞いていますが、この輪のなかに私たち「ヒト」が入っていないことが問題として挙げられていました。ところが今から2年前、アメリカ・ワシントン州では人間の死体をコンポスト(composting: 堆肥化)することが合法となり、いよいよ実際に稼働し始めたのです。
Washington becomes first state to allow composting of human bodies(ワシントン州、遺体の堆肥化を合法化する最初の州となる)
非営利団体の研究施設「ハーランド・フォレスト」(Herland Forest, a nonprofit research center) は、最初の遺体を引き取り、natural organic reductions(自然有機還元)を行いました(New York Postの記事はこちらから)。
最終的に、遺体からできた堆肥は55ガロン(およそ200リットル)のドラム缶4つ分(The final result is four 55-gallon drums full of usable compost)もなるそう。遺族はすべてもらうか、「ハーランド・フォレスト」に一部寄付してお葬式で植樹することができます(The family of the deceased can decide to keep all of it, or donate a portion to Herland Forest to help grow new trees in the cemetery.)。
火葬よりも地球にやさしい堆肥葬、ということで、将来日本でも選択肢のひとつとなりそうです。