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10月の無料ダウンロードデー◆『ヴェニスの商人』を読む

みなさん、こんにちは、ケイトです!

ようやく涼しくなって、過ごしやすい日々となりました。読書の秋ということで、今回はシェイクスピアの『ヴェニスの商人』を読んでみましょう!

ウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)の生涯は謎に満ちています。なぜなら、彼の書いた戯曲はたくさん残ってはいるものの、彼自身について書かれたものはとても少ないからです。

若き日のシェイクスピアは、生まれ故郷のストラトフォード・アポン・エイヴォンから大都市ロンドンへやってきて、劇団「宮内大臣一座 (The Lord Chamberlain’s Men, のちの国王一座) 」の看板役者および脚本家となり成功をおさめます。その後、自分たちで経営する劇場「グローブ座」で圧倒的な人気を誇る劇作家として亡くなるまでに約40近くの戯曲を発表しました。

今回みなさんと読んでいくのは『ヴェニスの商人』。中世のヴェニスで繰り広げられる愛と友情の物語です。

これは『ヴェニスの商人』のなかでいちばん有名な法廷シーンです。友人バサーニオ(右後ろ)のために高利貸のシャイロック(左)から借金をした貿易商アントーニオ(右)は、返済できなかったときには自分の肉体から「1ポンドの肉」を差し出す、という契約をシャイロックと結びます。期日が過ぎたため、シャイロックに「1ポンドの肉」を要求されている緊迫のシーンなのです。

裁判官に扮した美貌のポーシャ(中央)が二人の間に割り、なにやら諫めているようです。返済できなかったときには自分の肉体から「1ポンドの肉」を差し出す、という契約をシャイロックと結んだため、アントーニオの運命やいかに!

・・・と、このシーンが有名なため、『ヴェニスの商人』は裁判の物語と思われがちですが、実は複数の男女の恋物語でもあるのです。舞台はヴェニスの街中だったり、シャイロックの家の中になったり、ベルモントにあるポーシャの豪邸になったり、と目まぐるしく変化しますが、当時の劇場はどのような舞台装置だったのでしょうか。

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シェイクスピアの時代の劇場は、テニスコートくらいの広さの小劇場で、背景も芝居道具もない簡素な舞台でした。

舞台と観客席の間には、現在の劇場のような幕(カーテン)はありません。どちらかというと、日本の能のような張り出した舞台があって、奧の舞台と外の舞台はカーテンで仕切れるようになっています。また、奧の舞台の上(2階)にはバルコニーと呼ばれる舞台がありました。

この立体的な舞台を使い分けて話が進むため、『ヴェニスの商人』のようにいろいろな場面が次々に現れても観客はその変化にすばやく対応できました。そしてシェイクスピアの言葉のマジックにより、観客はその風景を想像し、登場人物たちに感情移入して、泣いたり笑ったりすることが可能だったのです。

原書を読む前に、この本で主要なセリフを訳しながら、本のあらすじを日本語で読んでみましょう!(BUY ON AMAZONをクリックするとキンドルのサイトにジャンプします)

10月2日金曜日夕方16時より24時間無料ダウンロード開催!中学生・高校生のみなさん、いや、聞いたことはあるけれど読んだことないかも?の大人も、この機会にぜひ、シェイクスピアを読んでみませんか。

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テーマの著者 Anders Norén