コロナ月間、ひきつづききょうもデザインのひとつで「ピクトグラム」について学びましょう。まずは日本でいちばん有名なピクトグラムはこれでしょうか。
ピクトグラムの定義を英英辞典で調べてみましょう。
pictogram
A simple drawing that represents something(何かを表す簡潔な絵)
もともと、ピクトグラム(またはピクトグラフ, pictograph)は「絵文字、象形文字」を意味しました。古代・先史時代の岩壁画などもそうです。
つまり、絵を手段としてものごとを表現し伝達する方法のこと。文字のもっとも古い形なの。絵文字は諸民族の中でそれぞれ発達していったのだけれど、実際には絵画的「記号」であって、個人対個人、もしくはは少人数の集団で通用するだけでした。
次第に人間の行動範囲が広くなり、集団も大規模になってくるにしがたって、仲間内だけで通じるような観念と直接に結びつかなくなり、特定の「音」と結びついて体系化されたものが「文字」となっていったのです。
代表的なのはアルファベットね。26文字の組み合わせで言葉を作っている、つまり音をたよりに文字が出来ている「表音文字」、古くはヒッタイト族の楔形文字や中国の漢字は文字を見ればそこから意味が分かるので「表意文字」。現在の漢字にもなんとなーく絵文字のように、文字を見るだけで意味が通じるものもあるでしょう?
さて、ピクトグラムに話を戻すと、これも実はユニバーサルデザインに当てはまるように作られています。その国の言葉が分からない人でも、文字が読めない人でも、大人から子どもまでそれを見れば意味が分かるというもの。
統計学でpictogram / pictographといえば「絵グラフ」のこと。統計数値の比較を示すのに絵を用いているの。
ちなみにアイコン(icon)はコンピューターのディスプレイ上で機能や内容を分かりやすく表す絵のこと。こちらもピクトグラムのような要素を持っているの。
次のアイコンは「カメラ」を表しているんだけれど、どちらのアイコンが見やすいかな?
答えはA。ピクトグラム同様、アイコンに必要なのはシンプルかつ幾何学的なこと。対称的で一貫した外観をもっていて、小さなサイズになっても読みやすさと明瞭さがなければならないの。Aに比べるとBのほうが繊細なデザインでしょう。小さくなったときに見にくくなってしまう弱点があるわけ。(from Material Design)