オランウータンのフトシを観察(かんさつ)してくれた隊員(たいいん)のみなさんが気(き)づいたこと、今回(こんかい)はなにがあるかな?
「フトシはね、さくの上(うえ)にのぼっていて、こんどはおりようとしていました。てとあしをつかってたよ」
「フトシはなんで高(たか)いところにはやくのぼれるの?ぶらさがってて、つかれないの?」
やあ、こんにちは。みんなが見(み)たとき、フトシは高(たか)いところにいたんだね。
じつは、野生(やせい)のオランウータンは、ほとんど高(たか)い木(き)の上(うえ)で生活(せいかつ)しているんだ。オスは地上(ちじょう)におりてくるものもいるけれど、メスはふつう木(き)の上(うえ)からはおりてこない。
オランウータンは木(き)の上(うえ)で生活(せいかつ)するのに適(てき)した(=じょうけんやのうりょくがぴったりとあっていること)体(からだ)つきになっているんだよ。
フトシの手足(てあし)を思(おも)い出(だ)してほしい。オランウータンの指(ゆび)は枝(えだ)をつかみやすいようにのびていて、とくに、後(うし)ろ足(あし)は手(て)のようになって、親指(おやゆび)とほかの指(ゆび)がはなれているんだ。
とくに野生では、木(き)の枝(えだ)から枝(えだ)に移(うつ)る行動(こうどう)がよく見(み)られるんだけれど、これは「ブラキエーション」とよばれている。オランウータンは地面(じめん)におりて歩(ある)くよりも、このブラキエーションがはるかに得意(とくい)なんだ。
動物園(どうぶつえん)でも、オランウータンは歩(ある)くより、柵(さく)やロープなどがあれば、それらをつかんで移動(いどう)する。かれらのためには、そういったものがたくさんあることが必要(ひつよう)かもしれないね。
こういったかれらの性質(せいしつ)を正確(せいかく)に知(し)ることは、動物園(どうぶつえん)を作(つく)るときにとても大切(たいせつ)なことなんだよ。おぼえておいてほしい。
とにかく、オランウータンは高(たか)いところが大好(だいす)き。小(ちい)さいころから高(たか)いところにいるので、わたしたちが高(たか)いところに感(かん)じるような恐怖心(きょうふしん)はないかもしれないね。
そして、木(き)の上(うえ)からまわりをよく観察(かんさつ)して、移動(いどう)するんだよ。
敵(てき)がいないかどうか、しっかり調(しら)べてから移動(いどう)する・・・わたしたちが横断歩道(おうだんほどう)を渡(わた)るときと同(おな)じよ。みんなも気(き)をつけてね!