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TJのホワイトハンドコーラス・ストーリー⑤夏休みの練習風景

これから東京ホワイトハンドコーラスの練習に参加するから、みんなついてきて!

3年前から始まった、東京ホワイトハンドコーラスは、ベネズエラ発・音楽教育システム「エル・システマ」のメンバーでもあるんだ。

ホセ・アントニオ・アブレウ(1939-2018)

「エル・システマ」は、1975年にベネズエラの経済学者であり、音楽家であったアブレウ博士が子どもたちのために作った無償でクラシック音楽を教えてくれる教育システム。

貧困や暴力に負けない力を子どもたちに与えるための道具、それが「音楽」であり「オーケストラ」だ、とアブレウ博士は考えたんだ。

この制度のおかげで、ベネズエラ国内では200以上の子どもたちのオーケストラが育ったし、国外でも50箇所以上の国や地域で「エル・システマ」教育が導入され、スペイン語の意味のとおり「ザ・システム」と言っただけで、あの音楽教育システムなんだ、と認識されていった・・・という話はみんな知ってるよね?

ホワイトハンドコーラスは、このエル・システマの中から生まれた「手歌」でコーラスを楽しむ子どもたちのこと。

日本では、3年前にエル・システマ・ジャパンの菊川さんと、ベネズエラ駐日大使夫人で、オペラ歌手でもあるコロンえりかさんが中心となって東京にホワイトハンドコーラスを設立したんだよ。

http://etwasneues.wpblog.jp/2017/08/25/el_sistema_2017_1/
詳しいことはこちらを読んでね。
あっ、TJ!いらっしゃい!
えりか先生!こんにちは。

みんな、手話でちゃんと「あいうえお」が言えるかしら?さあ、
さいしょは指の体操ね。

か!き!く!け!こ!

準備体操がおわったら、いよいよ本番にうたう歌の練習よ。たしか、まだ手歌が決まっていない部分があったわ。「夕焼け小焼け」の最後のところ・・・

「空にはきらきら 金の星♪」というフレーズが、最後にもう一回ゆっくりと繰り返されるの。そのときは、最初のフレーズと変化をつけたいのよ。どんな感じがいいかな?

そうね、ふたりのいいとこどりしようかな?「きらきら」って単に両手を振るだけじゃ小っちゃい子の「きらきら星」みたいでつまらないものね。

歌詞の内容を考えながら表現を決めていくんですね。
そうなの。そこがホワイトハンドコーラスのユニークなところなのよね。
手はここまでしか伸びないけれど、視線はもっと遠くまで行くことができるわよ。さあ、金の星を見つけて!

もうひとつ、大切なことを言うわね。実は、曲がはじまる前から観客の人たちはみんなのことをじっと見ているの。だから、みんなが心のなかで夕焼けの風景のイメージをもっているとね、歌わなくともお客さんに届くのよ・・・歌う前に自分のいちばん大好きな夕焼けのイメージをしておくこと。これはとても大切なことなの。

ぼくの大好きな夕焼けは・・・えっと・・・
TJ、次は「声隊」との合同練習にいくわよ!
あっ!田家先生!わかりました!

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テーマの著者 Anders Norén