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英語で学ぼう!◆ベーコン数ってなに?

こんにちは。ベンツです。

きょうは、「友だちの友だちは友だち?」という「六次の隔たり(Six Degrees of Separation)」仮説についてご紹介しましょう。

六次の隔たりとは、自分の知り合いを6人以内介すと世界中の人たちと間接的な知り合いになれる、という説です。つまり、わたしたちはみな6人以内でつながっていて、友だちの友だち(”a friend of a friend”)・・・と輪を広げていくと、最終的には地球上の人たちがみな知り合いである、ということ。

ほんとうですかっ!教授!

これは1929年にハンガリー人作家カリンティ(Frigyes Karinthy)が短編小説『鎖』のなかで取り上げたのが最初でした。その後、1990年、アメリカを代表する戯曲家のひとり、グエア(John Guare)が発表した戯曲Six Degrees of Separationがそのまま、この説の名称になったのです。登場人物のひとり、ウイザという女性が語るシーンの英文を読んでみましょう。

“I read somewhere that everybody on this planet is separated by only six other people. Six degrees of separation between us and everyone else on this planet. The President of the United States, a gondolier in Venice, just fill in the names. I find it A) extremely comforting that we’re so close, and B) like Chinese water torture that we’re so close because you have to find the right six people to make the right connection… I am bound to everyone on this planet by a trail of six people.” – Ouisa Kittredge, a character in the play “Six Degrees of Separation”
from The Oxford Math Center

まあ、これでいけばわたしもみなさんと「知りあい」となりますな。

現実の世界ではつながりを見つけるまでには相当な手間がかかりますが、ある一定の世界でなら「つながり」の最短距離が見つかりそうだ、ということで、とあるアメリカの大学生が発案したのが「ケビン・ベーコン数」というゲームでした。

アメリカ人俳優のケビン・ベーコン(Kevin Bacon)は、26歳のとき『フットルース』という青春映画で一躍スターダムに躍り上がりました。しかし、その後はなかなか目が出ず、ベーコンさんは脇役に回ると、さまざまなジャンルの映画に多数出演するようになりました。

ベーコンさんがある取材で、ハリウッドの全員が自分の共演者か、また共演者の共演者だ、と冗談交じりに答えたら、「ケビン・ベーコンは世界の中心」といわれメディアで話題になってしまいます。ちょうどそのとき、ペンシルバニア州のある大学生たちもこんな風に考えました、「もしそれがほんとうならば、どの俳優も6次以内でケビン・ベーコンとつながるはずだ」

  • Kevin Bacon himself has a Bacon number of 0.(ケビン・ベーコン自身はベーコン数を0とする)
  • Those actors who have worked directly with Kevin Bacon have a Bacon number of 1.(ケビン・ベーコンと直接共演した俳優はベーコン数を1とする)
  • If the lowest Bacon number of any actor with whom X has appeared in any movie is N, X’s Bacon number is N+1.(Xが出演した映画で一緒だった俳優のいちばん低いベーコン数をNとすると、Xのベーコン数はN+1とする)

このゲームは瞬く間に広がり、ベーコンさんとの距離を縮めようとしたり、もっとも遠い距離にいる人物を探し当てようとしたり、と大きな話題になりました。

ここのサイトで調べられるわよ。
先輩、Ken Watanabeで調べてみると、彼が『ラスト・サムライ』で共演しているトム・クルーズは『ア・フュー・グッド・メン』でベーコンさんと共演しているので、Ken Watanabeのベーコン数は2なんですね。

自分の名前を使われたベーコンさんは、それって、脇役で出ていることに対してバカにされているんじゃないだろうか、と悩みました。電車に乗れば「ゼロだわ」と自分を指さす人たちがいるありさま。これで俳優人生が終わった、と思っていた矢先、2001年、アメリカ同時多発テロ事件が起こります。

自分には何ができるのか、とベーコンさんは考えました。「ベーコン数」でこまっている人たちを助けることができるんじゃないか?そしてベーコンさんはThe Six Degreesというチャリティー団体を設立したのです。

ベーコンさんがどのように考えてどんな行動を起こしたのか、今回はTED×で実際に聴いてみましょう。

ベーコンさん、ほんとうによい方ですな。
ファンになりましたね、教授。

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テーマの著者 Anders Norén