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ジェンドブレ!ヤツェックです。
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ジェンドブレ、むぎです。
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11月2日、サントリーホール(ブルーローズ)で行われたアレクセイ・リュビモフさんのコンサートに行ってまいりました。
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ホール所有のピリオド楽器を使用してのコンサート。坂井原さん、じゃない方の調律開始。
第1部は、リュビモフさんが審査員をした第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで第2位入賞を果たした(!)川口成彦さんが特別ゲストで登場しました。
演奏後、川口さんによる「古楽器(ピリオド楽器)」レクチャーがありました。
「このサントリーホールにあるエラールというピアノは、1867年製のフランスのピアノです。ちなみにこのピアノを所有していたのは、福沢諭吉さんのお孫さん。ベートーベン(1770?-1827)の40年後に誕生したピアノです」
「ピアノは今から300年前、イタリア・フィレンツェで誕生しました。実は、ヴァイオリンなどと違い、ピアノはメカニックな楽器。産業技術の発展とともに、ピアノも発展していったのです」
でも、川口さんは「発展」ということばを使いたくない、と言います。「当時作られたからこその楽器、という意味で、時代とともに変容してきた楽器、と考えています」
「当時の楽器で、古典派から近代までの作品を聴くことができる、というのは、移り変わる文化をリアルタイムで体験できることです。リュビモフさんは、世界的なピリオド楽器のパフォーマーです。古楽は現代人にとっても非常にクリエイティブなものだ、と感じさせてくれる演奏をお楽しみください」
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再び、坂井原さん、コンサートの鑑賞ポイントを教えてください。
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京都と広島とでのコンサートと同じ曲目と思いますが、最初のベートーヴェンのソナタの出だしの音色の美しさは必聴です…
また、サントリーホール所有のエラールは、パリでショパンが愛用していた二台のピアノ(エラールとプレイエル)と同時代のエラールですので、ショパンのバラード四曲は、ショパンが弾いていたであろう音色が再現されると思います。
リュビモフさんは古楽器の専門家ですので、現代のモダンピアノばかり弾かれているピアニストとは弾き方が違うと思います。その違いを感じながら聴いてもらっていましたら・・・あ〜、私もエラールピアノでどのように弾かれるか、聴きたかったです・・・。
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ということで、わたくし、坂井原さんの耳となり、川口さんのおっしゃる移り変わる文化、ベートーヴェン、ドビュッシー、そしてショパン、を堪能してまりました。
ショパン:ポロネーズ第1番 嬰ハ短調 Op.26-1(リュビモフさんと川口さんの連弾)
シューベルト:『人生の嵐』 イ短調 D.947(川口さんの演奏)
ここからはリュビモフさんの演奏。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 Op.109
ドビュッシー:『前奏曲集』より
ショパン:4つのバラード
それにしても、あんなに水面を転がるような軽やかな音色から、厳かな音色まで出せるリュビモフさんは、どれくらいの力で弾いてらっしゃるんでしょうか・・・
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ピリオドピアノの鍵盤はモダンピアノの半分くらいしか沈まないから、あんまり力いれたら壊れちゃいますね・・・
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神出鬼没な佐藤さん・・・ジェンドブレ。