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10月7日の日経記事で松沢教授が紹介されている「イグ・ノーベル賞」と「動物園の役割」についてちょっとお話しましょう。
まず、イグ・ノーベルとは?
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「イグノーベル賞(Ig Nobel Prize)は、1991年に創設された「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられるノーベル賞のパロディー」です。
ある科学雑誌の編集長が、世界中の面白くても世間の目からは埋もれている研究を紹介して、楽しみながら子どもにもおとなにも科学や技術への関心を高めてもらおう、と始めました。
ちなみに日本とイギリスは「イグノーベル賞」受賞の常連国。創始者エイブラハムズ編集長によれば「多くの国が奇人・変人を蔑視するなかで、日本とイギリスは誇りにする風潮がある」とのこと。
こんなふざけた賞なんて…とバカにしたらいけません。この賞の授賞式はハーヴァード大学のホールで行われ、プレゼンターには本物のノーベル賞受賞者たちがスタンバイしているのですから。
ちなみに、2000年に「生きた変えるを磁気浮上させる実験」でイグノーベル物理学賞を受賞したアンドレ・ガイム博士とマイケル・ベリー博士は、ベリー博士が量子力学における概念「ベリー位相」を命名した科学者、ガイム博士は10年後に本家のノーベル物理学賞も受賞しています。
そして今年2018年の人類学賞にはスウェーデンのルンド大学より「動物園で人間がチンパンジーの真似をすると同程度で、チンパンジーも人間の真似をしている」という研究が受賞しました!
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日本では、動物園に行けばチンパンジーに会うことができます。これって実は当たり前のことではありません。日本は実に恵まれた「動物園」大国なのです。せっかく会えたのですから、ここはじっくりお互いを観察しあって、お互いをよく知る機会にしてみてはいかがでしょう。
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“動物園は「自然への窓」、その窓を通して人間とは何かを考える。人間の来し方と行く末と、そしてそれを包み込む自然の全体に思いをはせる。動物園はそうした場所でありたいと思う”
ということで、松沢教授の記事はこちらから。
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