こんにちは。ベンツです。
さて、「サセックスの吸血鬼」はいかがでしたでしょうか。みなさんも謎は無事解けたでしょうか。
物語を読むにつれてホームズが、細かい事実を観察や質問から見つけ出そうとしていることが分かりましたね。これは「アブダクション(abduction, 仮説形成)」という推論方法で、特定の出来事に対して、さまざまな説明が考えられるときにホームズがよく使う方法です。
それまでによく知られていた推論の方法は、仮説から論理的・必然的な結論が導かれる「ディダクション(deduction, 演繹法)」と事実を積み重ねて結論を出すが、充分な理由はあっても確実ではない「インダクション(induction, 帰納法)」の2つでした。
それらに対し、アブダクションは判明している事実をもとに最良の説明を得るというやり方でしたが、作者ドイルが医学という専門教育を受けていたこと、それによって実証的な合理性を身に付けていたことが影響していたと思われます。
作者ドイルについて詳しいことは
「ベンツ教授の英語で読む短編小説4 」で…
さて、こちら東京・日本科学未来館では4月18日より企画展「名探偵コナン 科学捜査展~真実への推理(アブダクション)~」
会場では、参加者が体験のガイドとなる探偵手帳を手に、証拠を採取する「現場検証エリア」、新たな情報を収集する「聞き込みエリア」、証拠を科学的に鑑定する「ラボエリア」の3つのエリアを巡り、事件の真相を解明していく、という凝り凝りの企画!そして、科学技術をいち早く推理小説に取り入れた本家コナン・ドイルの先見の明に乾杯!
さあ、みなさんも、アブダクションということばを覚えたところで…日本科学未来館へGO!ですぞ。
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